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どうやら大先生を困らせたらしい。

Book4

子供たちが小さかった頃住んでいた近所には、「いないいないばあ」やモモちゃんシリーズで有名な童話作家の松谷みよ子さんのお住まいがありました。

庭の植物の緑が映える真っ白な建物で、別棟の「本と人形の家」では、毎週土曜日に近所の子供たち向けに絵本の読み聞かせが行われていました。

内部は吹き抜けになっていて壁には絵本や児童書がぎっしり収納されている本棚があり、よく息子と娘を連れて通いました。

読み聞かせをして下さったのはスタッフの方で、松谷みよ子さんがどんな方なのか、実は知らなかったのですが、あるとき、松谷さんご本人が「本と人形の家」に現れたことがありました。
同じ敷地内にご自宅があるのだから、もっとお目にかかる機会がありそうなものの、そのときが初お目見え。

Book6

20代始めで、超・世間知らずの私は、そのとき、たまたま持っていた布の絵本をバッグから出し、「これ、アメリカ人宣教師の奥様から教わって作った布の絵本なんです」と話しかけました。

そのとき、なんか、まわりのオトナが凍りついたような気がしたのですが、「本と人形の家」だし、童話作家さんだし、布の絵本て興味があるんじゃないかしらと、ものすごく軽い気持ちでしたことです。

Book1

すると、松谷さんは、ニコリともせず、けっこう長い時間をかけて布の絵本をご覧になるのです。

そんなにじっくり見られるなんて想定外!
ヘタクソな縫い目とかバレちゃうし、てか、そのしょーもない布の絵本に対して、彼女は絵本作家の目で見ているようなのです。

その間、スタッフをはじめとするオトナは一言も言葉を発しません。
私は、あ、気軽に話しかけたりしちゃイケナイ世界の方だったんだと遅まきながら感じました。

その後、松谷さんは観想を言うでもなく(たぶん、絵本作家として真剣に向き合っちゃった挙句、何の価値も見出せなかったんだと思う)、自分の著書である「いないいないばあ」にサインをし、ほぼ無言で私にくれました。

Book7

何の考えもなしに、自分のともだちレベルで「見て見て♪」と大作家先生に言っちゃった挙句、良識的なオトナたちは凍りつき、松谷さんも、どう対処したらいいか、ものすごく困らせてしまったようです。

Book5

ポルトガル旅行中に、ネットで日本のニュースをチェックしていたとき、松谷みよ子さんの訃報を知りました。

当たり前だけど、ニュースで取り上げられるような著名人だったんだなと、再認識いたしました。
素晴らしい絵本をたくさん遺されているんですものね^^

あらためて、あのときのご無礼を心の中でお詫びすると共に、ご冥福をお祈りいたします。

ここ何年かは「本と人形の家」は閉館なさっていたようですが、白い可愛らしい建物はまだそこにあることを、たまに散歩で確認したりしてました。

写真は、ポルトガルから帰ってきて、アクセサリーの中に紛れ込んでいた「本と人形の家」で子供がもらったゴンぎつねのバッジと、あのとき松谷さんから頂いた「いないいないばあ」です。

バッジをみつけたのは、もうホントに偶然で、訃報を知った数日後くらいだったから、なんだかとても不思議な感じがいたしました^^

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コメント

松谷みよ子さんとのエピソードを
興味深く読みました。
とても貴重な出会いをされていたのですね。

私が「ももちゃんとプー」に出会ったのは
幼稚園の年長組の時、担任の先生が
帰りの会の時に、みんなを集めて
読んでくれました。

そして、20歳になり、「いないいないばあ」と
出会いました。一緒に読む赤ちゃんがみんな
大好きになる本で、それ以降は友人の子どもが
生まれたときはこの本をプレゼントしました。

そして、更に我が子が生まれて、
この本を読んで聞かせ、少し大きくなったら
「ももちゃんシリーズ」を
読み聞かせしたものです。

こうやって思い返すと色々思い出がありますね。

投稿: kotokoto | 2015.04.01 11:15

kotokotoさん

kotokotoさんの思い出、ほっこり読ませていただき嬉しく思います。
ありがとうございます

今度は直接そんなお話しが聞けますね

投稿: whoko | 2015.04.01 17:17

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