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小さいおうち

121220

読みたいと思っていた「小さいおうち・中島京子著」が文庫になっていたので購入。最近は目のことがあって、かなりのゆっくりペースで読むようになっていたのけど、これはもうとまりません!一日で一気に読んでしまいました!

戦前・戦時中の中流階級(…といってもほぼ上流階級より)の暮らしぶりや、当時の東京の様子が、住みこみの女中さんタキさんによる語りで綴られています。

これまで私の中で昭和の前半というと「戦争に突き進んでいく暗く怖い時代」というイメージがあったのですが、この本を読むと、昭和モダンといいますか、着物と洋装が共存し、明るさと華やかさがありつつ、倹約というのも美しい所作のようにあたり前に存在し、暮らしのそこかしこに丁寧さや誠実さを感じます。

あとがきの対談の中で昭和初期のことを「明治以降に取り入れた西洋文化が成熟した時代」と形容しています。

小さな東方の国である日本が、誇りと自信を持ち、卑下することなく世界と対等に渡り合おうという気持ちが育った時代でもあるようです。(むしろ、戦後生まれの私のほうが、どうも世界に対して堂々とできないのが日本人という印象を持っているのに!)

戦争をした父世代を強く非難し、「なぜ戦争したのか。なぜ反対しなかったのか」というのが、いつまでもたっても解けぬ疑問だったのですが、この本で、そのへんのもやもやがクリアになった気がします。

物語の構成も秀逸で、終盤の語り部がタキから若い世代へ変わり、それまで散らばっていた細部が、ひとつの真実へと結びつくのも素晴らしい読後感となりました。

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