« 3.11あれから一週間 | トップページ | あれやこれや »

温度差

同じ日本でも、被災地と被災地じゃない場所の温度差。
日本と日本以外の国が報道している原発への不安の温度差。

いや。もっと小さい規模での温度差を今の私の周辺で感じる。
不安とか支援のベクトルが人それぞれなのは当たり前なのだから、温度差が生じるのも当たり前・・・と頭では理解しているのだけど、気持がついていかない場合もある。

今の私は、自虐的にならぬよう、被災地を思う気持ちや、実際に出来る節電や募金などを継続していきたいと思っている。
夫も似たような気持だと思うので、家庭内での温度差は少ないので問題はない。

なのだけど、、、
見知らぬ被災地の人々へ想いを馳せることはできても、身近な人のことを大切に思えない自分がいる。

--------------------------------------------------------

「身近な人」とぼやかして書いて、え?娘さんや息子さん?などと思われても困るので、はっきり書いたほうがいいかもしれない・・・それは夫の母のことだ。

老いは誰しも避けて通れないことだ。
義母は、数年前から、記憶力・思考力・判断力が落ちていて、欠落した記憶を埋めようと、妄想ともいえる物語を作るようになった。

また、ヒトには防衛本能というのが備わっているようで、ツライ現実を受け止めるより息子や嫁のせいにするという傾向も多く見られる。(お金や物を私や夫が盗っていると本気で思っている)

なので、おかしな言動や行動をすることは少なくないのだが、数分前の記憶がなくなるというのはどんなに不安なことかと想像することは私にもできる(私の場合は、お酒で記憶をなくしたことが多々あるので、あの、他人は知っているのに自分が知らないという、なんとも嫌ぁ~な気分を経験しているってことだけど)
何よりも、夫が私をかばってくれるので、私は恵まれていると思う。

義母は、日常と違うことがおきると、混乱がひどくなる。
今回の地震のあと、夫は帰宅後すぐに義母のところへ駆けつけている。
それから数時間後、私の娘が義母とやっと電話がつながり、「大丈夫?」と聞くと、そのときは地震があったことなど忘れていたというので、よかったねー、嫌なことは忘れてたほうがいいよねーなどと、微笑ましく話したりしていた・・・のだけど・・・

余震や連日の震災報道で不安になったのか、「マンションの人が皆いなくなった」と言うようになった。実際はマンションの住人はいるんだけど、自分ひとりが置いてきぼりになっていると思ってしまうようだ。
その不安から、かなり身勝手な言動が目立つ今日この頃で、正直うんざりしつつ、地震が怖いならウチに来てればということになったのだけど、義母は私たちを信頼していないわけで・・・
けっきょく、アルことナイこと創作して、自分がどんなに可愛そうな境遇かを強調し(いや、義母は本気でそう思ってるからよけいに厄介だ)、近所の家に転がり込んだ。

私はというと、義母を思ってというよりは、近所に迷惑かけたり、自分たちのことを悪く思われたくないから、迎えに行こうとしたのだけど、夫が「行かなくていいから」と言った。(泊めてくれている人が)迷惑になったら帰ってくるしかないんだからと。
私たちがうんざりしていることが、余計に義母の気持ちをかたくなにさせていることは否めない。それも承知の上で、私を責めることなく、「しばらく様子をみよう」という夫の姿勢は有難い。

被災された方々が映し出されるニュースを見てまぶたも胸も熱くなる。なのに、義母の言動には冷めてしまう自分・・・自分の中にも温度差はあるのだな。

被災地でも被災地じゃないところでも、日にちがたつにつれ、温度差や不公平感が出てくると予想する。
「被災地のことを思う以前に身近な人を大事するべきだ。あなたのやってることは偽善だ」と言われても反論もできない私だけど、やれることをやっていくしかない。

|

« 3.11あれから一週間 | トップページ | あれやこれや »

コメント

Whokoさん
こんにちは!

Whokoさんはとても辛抱強く おかあさまと向き合っていると思います。

私の場合実母でしたがもともと相性が悪かった上認知症になってしまい、自分も母も受とめることができない時期がありました。

温度差 不平不満がでても おかしくないと思います。
疑われたりすると悲しいですよね。

旦那様が大きな器の方 すばらしいですね。


おかあさまと Whokoさんが 心穏やかに
いられる ファジーな温度が続いてくれたらいいなあ
と思っています。           

投稿: SARAN | 2011.03.22 15:33

■SARANさん

ありがとうございます。
辛抱強く向き合ってはいないので、なんともくすぐったいのですが、SARANさんの気持ちが嬉しいです

>心穏やかにいられる ファジーな温度が続いてくれたらいいなあ

「ファジーな温度」ってすてきな表現ですね

投稿: whoko | 2011.03.22 16:15

whokoさん。こんにちは。

家の義母の母が(夫の祖母)やはりその状態でした。
夫の弟が独身寮へ入り、その次に夫が結婚で家を離れ…それから徐々に認知症状が出て来ていました。

私達が結婚した頃である80歳頃から段々と状態で、元々の気質が気の強い人なので、その症状が出ると怒り出すタイプ。そして上手に話しを作るため、ご近所の方やケアマネージャーさんの面接もそつなく作り話の為、要介護度がとても低く判定され、身近な者としては大変でした。そう、お金や食べ物をすぐに仕舞うのです。そして「無くなった」とやってきて訴えるのです。時々あった義両親が帰省するときなど、アパートから私が面倒を看に泊まりがけでいたので、正直疲れました。

『同世代の友達は何の苦労もなく、夫の出張で実家へ帰り上げ膳据え膳なのに、なんで私だけ??』って。縛られることが多く、また目も離せず、子どももまだ小さくて、犬も面倒を看ないといけなくてイライラしっぱなしで、帰って来た義母に「あんた、おばあちゃんから色々聞いたで…」と言われ、家出してやろうと本気で思いましたよ。私の鬱状態がもとより酷くなりました。

そんな事があったけど、昨年12月21日に94歳で亡くなりました。最後はもう誰も解らなくなっていましたけどね。門見送りも沢山の方が来て下さり、また葬儀も遠くから無理して夜行バスをとって駆け付けて下さったりと。(49日の法要は地元に戻ってやったので、問題は山積みになったらしく、まだまだ片づけられません・汗)

投稿: YASU | 2011.03.22 22:23

Whokoさん

温度差・・良くわかります。
今回の震災は、あまりに大きな事だったので日本全国が心を痛めていますから、
何とか自分にできる事を見つけて、助けたい!
と思っている方が大半だと思います。

ふと、私は
道徳の時間を思い出します。
思いやり、親切、助け合い、など
人間としての大事なこと、心の部分を
小学校の時から、習っていますよね。
だけど、子供の頃は、正直、本と挿絵の世界だった。
だんだん物心つくにつれ、内容と社会の中での自分が一致するようになる。一緒に道徳を習ってきたはずの、周りの人々はどうか?必ずしも、同じ気持ちでいるとは限らない。うーん、うまく言えませんが、そういうことですよね。それだけ個人個人の判断は、ラインが違っていると思います。

身内に起こる事柄は、やっぱり自分がかかわらざるを得ないですから、それがマイナスな事だと、より重く肩に乗ってきますよね。

私の母はもう施設に入っていますから、ずいぶん、楽させていただいています。しかも、徘徊など大変だった時も、一度も家族や友人に疑いをかけたりしませんでした。お金の事もうとく、今から考えるととってもありがたく思います。
施設に行くと、時間があれば、私は「一休さん」の絵本を読んだり、童謡を歌ったりします。素直に喜んでいます。幼稚園児のように、かわいらしく感じます。

Whokoさんの場合、いくら病気からくるものでも
家族を疑う、というところにくると、それは辛いと思います。マイナスを毎回、毎回、ぶつけられるんですもの。
Whokoさんもご主人も、なんと寛容な心で対処されているんだろうと尊敬します。
そして、何より、Whokoさんが正直に、「身近な人をいまいち大切に思えない」と書かれていることが
むしろ自然に思えます。戻りますが、道徳を習ってきた私達、そんな態度でずっと接しられると、イヤイヤ、に決まっているじゃないですか(笑)そういうことを人にしない、と習ってきたんですから!!

長くてすみません・・・・

投稿: ひろりん | 2011.03.22 22:42

Whokoさま

こんにちは!いつもBlogを読ませていただいています。
初めてのコメントになります。
前向きにあゆまれていくwhokoさんと、優しい旦那様。素敵だなぁ、と思いました。

「身近な人を大事にする」って、むずかしいこともありますね。温度差、身に覚えがあります。

私は、特に祖父のことで、疲れ果てちゃった経験があります。そんななか、一冊の本を読みました。

≪「痴呆老人」は何を見ているか(新潮新書)≫
タイトルが直球な感じですが。。。
老いていくうえで不思議な言動・行動が出てきている人々を見てきた方が書いている本です。
この本を読んで、少し違う角度から祖父を見られた気がします。
もしよかったら、ご参考までに。


投稿: green pig | 2011.03.22 23:59

はじめまして。
数年前から、ROMしてました。
初めてコメントします。

私は、介護施設で働いています。
まだまだ新米ですが…

この地震や停電をきっかけに、被災地以外で、認知症の状態が悪くなっている高齢者が増えているように思います。

テレビの悲惨な映像、真っ暗な闇…通常と違う状態に影響されて、不安定な状態になっているようです。

お義母様の行動や言動に際して、whokoさんが冷めた感情でいることは、なにも悪いことではない気がします。
むしろ、whokoさんがそのくらい客観性をもっていないと、お義母さまの世界、感情に巻き込まれて流されてしまうかも…。
そうなると、ご自身だけでなく、まわりの家族もつらい思いをするでしょう。

何をすればお義母さまが平静を保てるのか、解決策はわかりませんが…事態を冷静に見守ることも、ひとつの向き合う手段であって、それは"冷たい"とは違うと思いますよ。

投稿: aikly | 2011.03.23 00:18

whokoさんおつかれさまです。
私と主人のそれぞれの祖母は認知症です。
人間相手ですから、実の娘になる母や義母も「いらっ」とくることが日常茶飯事のことだそうです。
「大切に思えない」なんて文章を読んで感じませんよ。
大切に思えない人のことは記事にしないはず。
頼れるだんな様でよかったですね。
私のほうの祖母はショートステイに行くとほどよく疲れるのかそういう状態もましになることがあるそうです。
もしもう行かれていたらごめんなさい。

投稿: ゆうか | 2011.03.23 06:11

whokoさんは、本当にしっかり周りの状況を把握してらっしゃると思います。
お義母様のお気持ちも、ご主人様のお気持ちも、全て理解しようとしているし・・・

でも、自分を信用してくれない方との関わりは、かなり辛いとお察しします。
自分だったら・・・と何度も考えましたがやはりどうするのが良いのか答えが見つかりませんでした。

ただ、言えるのは、
本当に素敵なご主人様です!!
そして、そんなご主人様を育てたのはお義母様。
きっと、素晴らしい育て方をなさったんでしょうね。

ブログって、誰でも自分の良い面だけを載せる方がほとんどですよね。
世界中の誰が見ているのかわからないのだから、それは当然だと思います。
でもそんな中で、今回のような内容を書かれたwhokoさんが、私はこれまで以上に大好きになりました。

これだけはお伝えしたいなぁと思いました。

投稿: miyukipochi | 2011.03.23 08:25

■YASUさん

小さいお子さんがいて犬がいて、義母さんからもあらぬ誤解までうけ…
介護問題は、いまだ主婦に集中しちゃうのかな。。。というより、認知症は、病気と認定されるまでビミョーすぎて周囲もどうしたらいいのやらといった事態が長いこと続きますし。。。
YASUさん、どんなに大変だったかとお察しします。

投稿: whoko | 2011.03.23 16:07

■ひろりんさん

>人間としての大事なこと、心の部分を小学校の時から、習っていますよね

はい。習いましたね
その習ったことは基本的なことなのでしょう。そして大人になり、いろんなケースがあることを知り、なかなか習ったような対処ができずにいます

ひろりんさんがわかりやすく私の気持ちを代弁して下さったようで、すっきりしました。ありがとう^^

投稿: whoko | 2011.03.23 16:13

■ green pig さん

はじめまして!
コメントありがとうございます^^

>「痴呆老人」は何を見ているか(新潮新書)

アマゾンでレビューだけ読んできました。
なんか、読みたい!と思いました。
参考にさせていただきます。ありがとうございます

投稿: whoko | 2011.03.23 16:15

■aiklyさん

はじめまして。
介護施設でお仕事なさってるんですね

>この地震や停電をきっかけに、被災地以外で、認知症の状態が悪くなっている高齢者が増えているように思います。

やはり。こういうとき、直接の被害はないとしても、認知症の方や子供の心に何らかの影を落としているのでしょうか。。

「事態を冷静に見守ることも、ひとつの向き合う手段であって、それは"冷たい"とは違うと思いますよ」というお言葉、励まされました。ありがとうございます

投稿: whoko | 2011.03.23 16:19

■ゆうかさん

そうですか。両方の祖母さまが。。。
お察しいたします。。。

>大切に思えない人のことは記事にしないはず。

なんというか、支援や募金のことをブログに書く自分が実はこんなんなんだと、誰かにきいてもらいたかったのかもしれません。(ごめんなさい。。。)

>ショートステイ

そうですか^^優香さんのおばあさまは楽しんでるのですね~ それはいいことです
うちの義母は、毛嫌いしていて、行こうとしないのです。そういうサービスを利用したくとも、なかなかむずかしい状況です。。うーん、残念

投稿: whoko | 2011.03.23 16:30

■miyukipochiさん

そっか!
そうなんですよね!
すっかり忘れていました!
そんな主人を育てたのは義母だってこと。

思い出させてくれてありがとう、miyukipochiさん

投稿: whoko | 2011.03.23 16:32

またコメントさせていただきますが、私の祖母はショートステイに行くのですが、夫の祖母は頑固な性格だそうで90を過ぎても元気なため、病院なども嫌がって義母をひっかいてでも抵抗するそうです。。。
義母がまいってしまい介護の認定を受けるためにようやく病院へ連れて行ったのが本当に最近のことです。
診断が出てからは専門の方に相談したりする予定だそうです。
震災の影響がある現在、自分の家庭をまわすだけでも精一杯ですね。私も正直仕事や親戚付き合いに気がまわらない状態です。。。whokoさんのお気持ち本当に共感します。
水道水の問題までもが発生し、娘さんのお子さん心配ですよね。はやく落ち着きますように!

投稿: ゆうか | 2011.03.24 19:25

■ゆうかさん こんにちは

こういう症状って、病院へ連れて行くのもたいへんです。
「物忘れ外来」に何度かつれて行ったのですが、義母は「なんで私が・・・行く必要ないでしょ」と、ほんとうに嫌がりました。

プライドを傷つけないように専門の治療をうけることができない現状が悲しいけど実際のところです。

水道水!大人はともかく、小さいこのいるご家庭ではまたひとつ悩みの種が増えちゃったかんじですねー

投稿: whoko | 2011.03.25 15:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 温度差:

« 3.11あれから一週間 | トップページ | あれやこれや »