« バベルとドリームガールズと | トップページ | ロールキャベツ »

東京散歩

東京生まれの東京育ちといえばカッコよく聞こえるかもしれないが、実は他県をほとんど知らない。この年齢からすると、知らないにもほどがあるだろう、と言われても返す言葉がないくらい知らない場所が多い。
このあいだ在日5年の外人さんと話したら、彼のほうがよっぽど日本各地へ行っていたことが判明。「ホントニ、ニホンジンデスカ?」と言われたよ。
ちなみに国内で、行ったことがあるのは関東6県プラス片手の指で足りるくらい…いや、行ったことがあるとも言えないな。正しくは通過したことがある県を数えてもそのくらいだ。
こうなると誰からも賛同を得られないのは承知の上で、「どうだスゴイだろ」(ニュアンス的には「スゴクね?」)と言いたくもなる。
さて、そんなアタシの強みは、GW中でも都内のなるべく混んでなさそうな場所を本能的に嗅ぎわけられること(この時期、間違っても東京ミッドタウンには行かない)

で、↓の写真は品川の原美術館
200705hara_1

品川駅とその周辺はここ数年でかなり変わったのはご存知のとおりだが、駅から徒歩15分のそこは手入れされた庭が美しい閑静な住宅街。昭和の良質な部分を残した、私が好きだなぁと思う東京です。

展示されていたのは、ヘンリーダーガー 「少女たちの戦いの物語—夢の楽園」
200705darger

ダーガー(1892〜1973)は、幼くして両親死別、知的障害という誤診を受け施設への収容。17歳で施設を脱走した後81歳で亡くなるまでの間、ほとんど人付き合いのない孤独の中で、膨大な量の物語と絵画を制作。人目に触れることもなく描きためられた作品群は、芸術家でもあった家主ネイサンラーナーに見出され、専門家による調査研究の機会を得て、アウトサイダー アートの専門館に収蔵。世界の主要な美術館で展覧会が開催されるようになる…

芸術的な教育を受けるチャンスがなかった彼が、トレースやコラージュを経て表現した膨大な作品。グロテスクな表現もあるが、愛くるしい少女たちと花が舞う夢のような世界の色使いに惹かれる。

原美術館の中庭のカフェにて、彼について書かれた書物を読みふける。
モダンな造りの建物と緑の芝生に注がれる強い日差し。
異国の公園で本を読んでいるような錯覚に襲われる。極上のひととき。

この年齢で、在日5年の外人さんより知らない日本が多いのは、なんでもない東京が、実はけっこう好きだから・・・かもしれない。

|

« バベルとドリームガールズと | トップページ | ロールキャベツ »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東京散歩:

« バベルとドリームガールズと | トップページ | ロールキャベツ »